ついてまわる2つの思い:貪欲と不安

朝起きて坐を組む。思いはいつも「貪欲」と「不安」の間を行き来する いや、朝起きた瞬間にすでにそうなのだ。 坐すればそれがより明確になり。普段はそれが意識されないほどに溶け込んで、その思いがために右往左往する。 坐を組む。やらなければならない仕…

生きてるだけで丸儲け、でいいのか?

という言葉、これは明石家さんまが言い出したとか、そのへんははっきりしないが、「生きてるだけで丸儲け」という言葉は大衆に肯定的に受け入れられている感じがある。 それならば「死ぬときは全てご破算」とも言えるのではないか? だいたい、世の中のマジ…

思う通りにいかない人生

おおよそ自分のこれまでの人生を見渡して、また、世の中の様々な人の有り様・出来事を見るにつけ、すべて煎じ詰めたところ「どうして私の思うとおりいかないんだ」とぐずっている姿でしかないのだということを、特に最近になってつくづく感じるようになった…

【イワン・イリッチの死】章タイトル(私案)

弔問(傍らから見た死) その生涯 世間的幸福の追求(憂愁と虚栄) 兆候(世間的価値の消失と転換) 変化 目隠し 虚偽 孤絶 苦悶(生死の謎と奇怪な想念) 追憶 新しい目(生死を貫く視点) 死(不生不滅不垢不浄不増不減)

染み付いた世間的価値観を転換させることの難しさ

世間的価値。それは生まれてからずっと親・学校教員・関係する友人・知人を介して叩き込まれ、そして世の中に渦巻く情報すべてにそれが溢れかえっているので、まるで空気のようなもの、疑うべからざるもの(疑う目すら持ち得ないもの)となっており、完全に…

人生の本当の価値に目覚める:まっさらな生命の実物地盤に立ち返るということ

自分が自分と思う以前に「私が私が、俺が俺が」という以前に、母体に命として生まれた瞬間にどうしたって片足は棺桶に突っ込んでいるんだ。 人生の本当の価値観に目覚めるためにはその棺桶から見直す必要がある。 つまり生まれる以前に堕ろされていてもおか…

思い以上の「私」

普段、私と思っている私は「業識」としての私。つまり、どこで生まれて誰を親としてどういう環境で状態で生まれ育ったか、そこでどういう教えを受けて影響を受けて何を価値概念として身につけたか、あらゆる偶然の産物としての集合体を私だと思い、その私を…

内山興正老師の提唱録リスト

正法眼蔵味読会 出典(音声ダウンロード):内山興正老師「正法眼蔵」提唱録公開 - 十方世界共生山一法寺 YouTube:再生リスト「内山興正 正法眼蔵」 # 巻 年月 齢 場所 書籍 聴 1 八大人覚 1978.1 65 宗仙寺@京都 有 9 原文朗読を省略、提唱日の区切りなし…

人生100年時代をどう生きるか?

というような見出しが、殊に最近目につく。 あるいはそれに近いような見出しをつけて、平均寿命が伸びた超高齢社会の日本で「この長丁場の人生をどう生きていくか?」「いかにうまく生きていくか?生き抜くか?」といった点について、お金に関するやりくりを…

本当に学び取るための姿勢

「雪峰に参ずるほかは、自余の知識をとぶらわざりけり」 あっちこっちフラフラしないこと。 この人(師家)だと思ったら、その人に付きぬくこと。その人の言っていることが自分の言っていることとぶっ続きになるまで(耳鳴りがするぐらい・耳にタコができる…

人生の問題を考えることに対する反問について

人生については、全く考えないで暮らしている方が健全で、そんなことに悩むのは不健全なんじゃないですか? そんなことを考える人なんて変わり者と違いますか? なんのために生きねばならないか、そんなすねたことを考えずに、何ごともでもまじめに出会いな…

【哲学する仏教:内山興正老師の思索をめぐって】

哲学する仏教 (内山興正老師の思索をめぐって) 作者:藤田 一照,山下 良道,ネルケ無方,永井 均 サンガ Amazon 内山興正老師による最初期の体系的著作「進みと安らい」に関する(特に自己曼画の図に対する)孫弟子筋や共鳴する哲学者による講演録。 藤田一照 …

【人生科読本】と【生存と生命】

人生科読本 作者:内山興正 柏樹社 Amazon 生存と生命―人生科講義 作者:内山興正 柏樹社 Amazon 内山老師が、その求道の生涯の中、長年の参究と思索によってまとめ上げ、温め抜き、そうして紡ぎ出した、いわゆる「論理的な骨組みを構成する本」に属している最…

人生の苦しさと虚しさ

人生についてアレコレ書き記すのであれば、まずその問題点・問題の根本を明らかにしておくべきだ。 このカテゴリ内の記事では「人生の問題」そのもの、この世の中を生きるうえでのリアルな諸問題、煩悶・葛藤などまとめていきたいと思っている。 それには、…

生存と生命:生活の問題と人生の根本問題

このblogは、主に内山興正老師を善知識(私淑)として据えて、仏教をベースとした人生に関する問題の考察「生死の解決」を目的にしたものである。 であるので、ここで改めて「人生の根本問題とはなにか」を明確にしておきたい。 日々の生活上の問題と人生の…

内山興正老師の著作物の特性と【人生科読本】

内山老師の著作物は生前にかなりの数が出ている。 しかし、その多くが柏樹社という既に廃業した出版社から刊行されたものであり、新装版として再刊されたものも一部あるが、ほとんどが絶版状態になってしまっているのは本当に残念なことだ。 hibinokousatu.h…

どうせ死んでしまう、どうせすべてを失ってしまう人生、なのになぜ生きねばならないのか?

youtu.be 人生を考えるとき、そこにはいくつか難所がある。難所とは人生という大河にうずまく「渦(うず)」のようなものだ。 その最も大きな難所(うず)は、 「どうせ最後には死ぬ人生、それなのになぜ生きなければならないのか? しんどい思いをして勉強…

死は「当然」、いま生きていることの「驚き」

普通は逆だと思う。 今生きていることが当たり前で、死ぬことは考えてもみない。今日があって当然明日があって「日常生活」といったものが維持され続けると思っている。そうして、いざ自分の死が目の前になったら驚愕と悲嘆と絶望でいっぱいになる。 しかし…

「死」を切り捨てた人生、「死」だけを凝視する人生

ほとんどの人は「死」を自分事ではない他人事の概念として捉えて、ひたすら「生活・生存」のため、世渡り処世のため生きているのが実状だと思う。 この人生態度、価値観だけで進むと、アタマの思いを絶対的なものとして、ひたすら世俗的な相対的価値観の幻想…

思い固められた私を手放すとき

死ぬということは、生まれてからその瞬間まで「私が、私が」「私の、私の」といってきた思いで固めに固めてきた「その私」を「その私自身」で手放すときなのだから、それは深淵に落ち込むような絶望感があり、相当の激しい抵抗があって当然だろう。 その瞬間…

自分の死という盲点にピントが合うとき

「盲点」とは、眼球の奥の網膜から視神経がつながる、その1点で視野が欠けている状態で、実際にある。その「盲点」という視野の欠落は、両目で互いに補っているから普段は意識しないで済む。 「死」もそのようなものではないか。 とにかく「生活・生存」だ…

アイディンティティという幻想、中年の危機とはなにか?

youtu.be 人は成長過程において「自分とは何者か」という自我を形成する上での不安定期があって、それが思春期や青年期においてアイディンティティ(自己同一性)という形で落ち着くことによって、その後の安定的な成長過程が導かれる。 心理学的に規定する…

世間的・世俗的な相対的価値観は「没価値・無価値」を内包している

自分の存在意義とはなにか? 他との兼ね合いの中での(自分の所属する社会全体あるいは小さなコミュニティの中における)価値基準をモノサシとして自分の価値を測ってさまざまな思惑の中で「良い悪い」「勝ち負け」を判断しているのが人間の常の姿だと思う。…

人生の心の置きどころ(一行・二極・三心)

youtu.be どっちにどうころんでも御いのち いまこの実物こそ御いのち ・人生態度としては「三心:喜心 老心 大心」 ・行動指針としては「二極」 ・無有生死・只管生死としては「一行」 人生を生きるうえでの心の置きどころ、それは「どっちにどうころんでも…

アテを描くことと一応の方向をもつことの違い

「〜のために」というアテを描いて行動するのが世間一般のあり方だ。 「いい学校に入るために」 「いい会社に入るために」 「いい仕事に就くために」 「いい彼彼女を見つけるために」 また、結婚して子どもでもできれば 「いい学校に入れるために」 「いい職…

アタマで考えると抽象的な概念にしかすぎないのに「実物としてある」と思い込んでしまう

ことはよくある。 「悟り」でも「母性」でも、アタマから抽出された概念として、本来は曖昧な性質のものなのに、社会的概念として強化されて固定されると、そこに「カチッとしてある」ものとして捉えてしまう。 「悟り」を得る。 「母性」を得る。 所詮アタ…

我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか

という、ゴーギャンの絵があるが、いかにも頭の先っぽの思いを追いかけたような言葉だ。こういうタイトルで多くの人は、そこにいかにも人生の深い問いかけがあるように思って、それを同程度のアタマで掴んでしまう。 「左の窓から右の窓へ一羽の鳥が横切った…

求めて得る道筋

普通の世間相場では「求めるとき、手に入れようと思うとき」私の思いで(ものさしで)追い求め、手に入れる。 「私が求め、私が得る」という図式が当然だと思う。 ところが、仏法では、その図式のまま私の思いで求めることは、真逆の方向に離れていくことで…

内山興正老師の著作物リスト

発行年月順(老師の年齢は1998年85歳示寂以後も記載) 新装版および同系統は並列(新装版は一部絶版を含む、柏樹社は全て絶版) 柏樹社の冊子「まみず・まみず新書」および折り紙に関する書籍や雑誌類は除く 国立国会図書館のリスト(折り紙に関する書籍や雑…

人間関係の捉え方

ここでは円の理論に基づいて、人間関係に深く悩まないための捉え方についてまとめた。円の理論の核心とは関係しないが、こうした考え方にも応用できるという一例。 hibinokousatu.hatenablog.com 人間関係に悩んだら「円」と「円」を切り離すイメージを持と…